[主催]
日本推理作家協会
[第1回授賞年]
1955年
[解説]
日本の推理小説界に大きな足跡を残した作家・江戸川乱歩(1894~1965年)が、1954年、探偵作家クラブ(47年創設、54~62年は日本探偵作家クラブ、63年より日本推理作家協会)に100万円を寄付。これを基金として、乱歩の名を冠する賞が創設された。当初「その年度の探偵小説の諸分野において顕著なる業績を示した人に、過去の実績をも考慮して贈賞する」として始まり、第1回(55年)はミステリー評論家の中島河太郎に、第2回(56年)は「ハヤカワ・ポケット・ミステリ」の出版で早川書房に贈られたが、第3回(57年)からは長編公募に切り替わった。受賞作は講談社から刊行される。公募切り換え後の最初の受賞作は仁木悦子の「猫は知っていた」で、童話を書いていた仁木はここから推理作家として歩み始める。以後も、西村京太郎(第11回、65年)、森村誠一(第15回、69年)、栗本薫(第24回、78年)、東野圭吾(第31回、85年)、池井戸潤(第44回、98年)など、多年にわたり数々のベストセラー作家を世に送り出している。同じく日本推理作家協会主催の日本推理作家協会賞と並んで、推理小説部門の権威ある文学賞とされている。
[ジャンル]
広義の推理小説
[募集形態]
公募:自作未発表の作品(400字詰350~550枚、ワープロ原稿は30字×40行で115~185枚、別に400字詰換算で3~5枚の梗概[こうがい]が必要)
[結果発表]
例年、1月末の締め切りで、5月の発表。
[賞品賞金]
正賞の江戸川乱歩像と副賞として賞金1000万円。
[選考委員]
有栖川有栖(作家)、池井戸潤(作家)、今野敏(作家)、辻村深月(作家)、湊かなえ(作家)
[最近の結果]
犬胤究「QJKJQ」(第62回、2016年)、呉勝浩「道徳の時間」(第61回、2015年)、下村敦史「無縁の常闇に嘘は香る」(第60回 2014年)、竹吉優輔「ブージャム狩り」(第59回、2013年)、高野史緒「カラマーゾフの兄妹」(第58回、2012年)、川瀬七緒「よろずのことに気をつけよ」、玖村まゆみ「クライミング ハイ」(第57回、2011年)、横関大「再会のタイムカプセル」(第56回、2010年)
[主催者HP]
http://www.mystery.or.jp/topics/index.html
(2016年10月時点)