[主催]
毎日新聞社
[第1回授賞年]
1947年
[解説]
毎日新聞社が半世紀を超えて続けている文化賞。前年9月から当年8月までの1年間に刊行された出版物を対象に、各出版社の自薦と毎日新聞社が依頼した有識者の推薦による候補作の中から、文学・芸術部門、人文・社会部門(ノンフィクション、歴史、民俗、思想、哲学、宗教、政治、経済など)、自然科学部門、企画部門(全集、講座、辞典、事典など)の4部門を本賞とし、原則各1点ずつ選ばれている。ほかに、広く読者に支持され、出版文化の向上に貢献した出版物には「特別賞」が贈られる。第1回(1947年)受賞は、文学・芸術部門が、谷崎潤一郎「細雪」、宮本百合子「風知草」「播州平野」、河上肇「自叙伝」、人文・社会部門が、大塚久雄「近代欧州経済史序説」、田辺元「懺悔道としての哲学」、戒能通孝「入会の研究」、小林太市郎「大和絵史論」、自然科学部門が久保亮五「ゴム弾性」/戸田盛和「液体理論」/小島昌治「真空管の物理」(「物理学集書」既刊三冊)、宮本忍「気胸と成形」、緒方富雄「みんなも科学を」だった。なお、2002年創設の毎日書評賞も、第67回(13年)から毎日出版文化賞に加わった。
[ジャンル]
すぐれた著作物や出版活動
[募集形態]
非公募:出版社による自薦、および毎日新聞が依頼した有識者の推薦
[結果発表]
例年、8月末の締め切りで、11月3日の発表。
[賞品賞金]
著編者・訳者には賞状と、副賞として賞金100万円、「パーカー」ソネット万年筆。出版社には賞状とブロンズ、特別賞は賞金なし。
[選考委員]
五百旗頭真(政治学者・歴史学者)、佐伯一麦(作家)、白石太一郎(考古学者)、武田徹(ジャーナリスト)、成毛眞(書評サイト「HONZ」代表、実業家)、西垣通(情報学者)、林真理子(作家)、御厨貴(政治学者)、伊藤芳明(毎日新聞社主筆)、書評賞選考委員:池澤夏樹(作家)、高樹のぶ子(作家)、松原隆一郎(経済学者)
[最近の結果]
文学・芸術部門:島田雅彦「虚人の星」、人文・社会部門:塩出浩之「越境者の政治史」、自然科学部門:佐藤恵子「ヘッケルと進化の夢」、企画部門:五味文彦・本郷和人・西田友広・遠藤珠紀・杉山巖(編)「現代語訳 吾妻鏡」、特別賞:受賞作なし、書評賞:荒川洋治「過去をもつ人」(第70回、2016年)、文学・芸術部門:黒川創「京都」、人文・社会部門:樺山紘一「歴史の歴史」、自然科学部門:渡邊淳司「情報を生み出す触覚の知性」、企画部門:日置英剛(編)「新・國史大年表」、特別賞:池内恵「イスラーム国の衝撃」、書評賞:角幡唯介「探検家の日々本本」(第69回、2015年)、文学・芸術部門:重松清「ゼツメツ少年」、人文・社会部門:秦郁彦「明と暗のノモンハン戦史」、自然科学部門:渡辺佑基「ペンギンが教えてくれた物理のはなし」、企画部門:末木文美士、下田正弘、堀内伸二(編著)「仏教の事典」、特別賞:佐藤賢一「小説フランス革命」、書評賞:立花隆「読書脳」(第68回、2014年)、文学・芸術部門:天童荒太「歓喜の仔」、人文・社会部門:中島琢磨「沖縄返還と日米安保体制」、自然科学部門:岩波書店・自然科学書編集部「岩波科学ライブラリー」、企画部門:トマス・アクィナス著、稲垣良典・他訳「神学大全」、特別賞:林望「謹訳 源氏物語」、書評賞:辻原登「新版 熱い読書 冷たい読書」(第67回、2013年)、文学・芸術部門:赤坂真理「東京プリズン」、人文・社会部門:服部英雄「河原ノ者・非人・秀吉」、自然科学部門:三橋淳「昆虫食文化事典」、企画部門:見田宗介「定本 見田宗介著作集」、特別賞:加賀乙彦「雲の都」(第66回、2012年)、文学・芸術部門:山城むつみ「ドストエフスキー」、人文・社会部門:開沼博「『フクシマ』論」、自然科学部門:松沢哲郎「想像するちから」、企画部門:戸沢充則監修「シリーズ『遺跡を学ぶ』」、特別賞:北方謙三「楊令伝」(第65回、2011年)、文学・芸術部門:浅田次郎「終わらざる夏」、人文・社会部門:曽根英二「限界集落」、自然科学部門:木村敏「精神医学から臨床哲学へ」、企画部門:池澤夏樹編「池澤夏樹=個人編集 世界文学全集」、特別賞:五木寛之「親鸞」(第64回、2010年)
[主催者HP]
http://www.mainichi.co.jp/event/aw/002222.html
(2016年10月時点)