[主催]
日本現代詩人会
[第1回授賞年]
1983年
[解説]
日本現代詩人会が主催する、既刊の現代詩集を対象にした文学賞で、中堅以上の詩人に贈られている。日本現代詩人会は、1950年、安西冬衛、安藤一郎、大江満雄、北川冬彦、村野四郎を発起人に、金子光晴、小野十三郎、真壁仁、三好達治、西脇順三郎、草野心平、壺井繁治らが参加して、現代詩人会として発足(60年現行名に改称)。北川冬彦が国連のユネスコに関心が深かったことから、詩人会結成にもその影響があったともされる。また、発起人の一人、大江満雄もユネスコ運動に参加している。「現代詩人賞」は、同会の会員だった澤野起美子の寄付を基金として82年に設立。前年1~12月の1年間に発表、発行された詩集を対象に、日本現代詩人会会員による投票をもとに候補作が選ばれ、選考委員による2度の審議を経て決定されている。一方、設立と同時に始まった新人賞「H氏賞」は、村野四郎の友人だった平澤貞二郎(1904~91年)の支援によるもの。プロレタリア詩人として活躍した平澤は、戦時中当局の目を逃れて詩業を断念したが、戦後は電子機器の会社で成功。その寄付に基づき賞を設立したが、匿名という希望により、賞名もイニシャルだけになった。両賞は毎年同時に発表されている。
[ジャンル]
詩歌:詩集
[募集形態]
非公募
[結果発表]
例年、3月の発表。
[賞品賞金]
記念品と、副賞として賞金50万円。
[選考委員]
第34回:井坂洋子(詩人)、川中子義勝(詩人、ドイツ文学者)、北畑光男(詩人)、季村敏夫(詩人)、斎藤正敏(詩人)、佐々木久春(詩人、日本文学者)、鈴木漠(詩人)
[最近の結果]
尾花仙朔「晩鐘」(第34回、2016年)、八木忠栄「雪、おんおん」(第33回、2015年)、甲田四郎「送信」(第32回、2014年)、池井昌樹「明星」(第31回、2013年)、杉山平一「希望」(第30回、2012年)、高垣憲正「春の謎」(第29回、2011年)、高橋睦郎「永遠まで」(第28回、2010年)
[主催者HP]
http://www.japan-poets-association.com/award/prize/
(2016年10月時点)