[主催]
読売新聞社
[第1回授賞年]
1950年(49年度)
[解説]
読売新聞社が、戦後間もない1949年に、戦後の文芸復興の一助にと始めた文学賞。前々年12月から前年11月までの1年間に発表、刊行された作品の中から、文学界関係者の推薦を基に選ばれている。当初は、小説、戯曲、文芸評論、詩歌、文学研究の5部門でスタートしたが、詩歌賞は第4回(52年度)から詩歌俳句賞に、文芸評論賞と文学研究賞は、第9回(57年度)からそれぞれ評論・伝記賞と研究・翻訳賞に、戯曲賞は第46回(94年度)から戯曲・シナリオ賞に改められた。また、第19回(67年度)から随筆・紀行賞が加わり、全6部門となっている。第1回(49年度)の小説賞:井伏鱒二「本日休診」、詩歌賞:草野心平「蛙の詩」をはじめ、第2回(50年度)の小説賞:宇野浩二「思ひ川」、文学研究賞:和辻哲郎「鎖国」、第3回(51年度)の小説賞:大岡昇平「野火」、第4回(52年度)の小説賞:阿川弘之「春の城」、戯曲賞:福田恆存「龍を撫でた男」、文芸評論賞:小林秀雄「ゴッホの手紙」、第8回(56年度)の小説賞:三島由紀夫「金閣寺」、第14回(62年度)の小説賞:安部公房「砂の女」、第15回(63年度)の小説賞:井上靖「風濤」など、時代を代表する作家 と作品が続いている。
[ジャンル]
文芸作品全般:「小説賞」、「戯曲・シナリオ賞」、「評論・伝記賞」、「詩歌俳句賞」、「研究・翻訳賞」、「随筆・紀行賞」の全6部門
[募集形態]
非公募
[結果発表]
前年11月に推薦を依頼、当年2月に結果発表。
[賞品賞金]
正賞の硯と、副賞として賞金200万円。
[選考委員]
池澤夏樹(作家)、伊藤一彦(歌人)、小川洋子(作家)、荻野アンナ(作家、仏文学者)、川上弘美(作家)、川村湊(文芸評論家)、高橋睦郎(詩人)、辻原登(作家)、沼野充義(文芸評論家、ロシア・東欧文学者)、野田秀樹(劇作家)、松浦寿輝(詩人、作家、批評家)
[最近の結果]
小説賞:古川日出男「女たち三百人の裏切りの書」、戯曲・シナリオ賞:荒井晴彦「この国の空」(原作・高井有一)、随筆・紀行賞:別所真紀子「江戸おんな歳時記」、評論・伝記賞:宮田毬栄「忘れられた詩人の伝記」、詩歌俳句賞:小池光・歌集「思川の岸辺」、研究・翻訳賞:沓掛良彦訳「黄金の竪琴 沓掛良彦訳詩選」(第67回、2015年度)、小説賞:川上弘美「水声」、星野智幸「夜は終わらない」、戯曲・シナリオ賞:受賞作なし、随筆・紀行賞:山崎佳代子「ベオグラード日誌」、評論・伝記賞:富士川義之「ある文人学者の肖像評伝・富士川英郎」、詩歌俳句賞:高野公彦・歌集「流木」、研究・翻訳賞:井波陵一訳「曹雪芹『新訳紅楼夢』」全7冊、(第66回、2014年度)、小説賞:村田喜代子「ゆうじょこう」、戯曲・シナリオ賞:受賞作なし、随筆・紀行賞:旦敬介「旅立つ理由」、栩木伸明「アイルランドモノ語り」、評論・伝記賞:小笠原豊樹「マヤコフスキー事件」、詩歌俳句賞:高野ムツオ・句集「萬の翅」、研究・翻訳賞:中務哲郎訳「ヘシオドス 全作品」(第65回、2013年度)、小説賞:多和田葉子「雲をつかむ話」、松家仁之「火山のふもとで」、戯曲・シナリオ賞:ヤン・ヨンヒ「かぞくのくに」、随筆・紀行賞:受賞作なし、評論・伝記賞:池内紀「恩地孝四郎」、詩歌俳句賞:和田悟朗・句集「風車」、研究・翻訳賞:亀山郁夫「謎とき『悪霊』」、宮下志朗訳「ラブレー『ガルガンチュアとパンタグリュエル』」全5巻(第64回、2012年度)、小説賞:受賞作なし、戯曲・シナリオ賞:前川知大「太陽」、随筆・紀行賞:星野博美「コンニャク屋漂流記」、評論・伝記賞:鷲田清一「『ぐずぐず』の理由」、詩歌俳句賞:粒来哲蔵・詩集「蛾(が)を吐く」、佐佐木幸綱・歌集「ムーンウォーク」、研究・翻訳賞:受賞作なし(第63回、2011年度)、小説賞:桐野夏生「ナニカアル」、戯曲・シナリオ賞:受賞作なし、随筆・紀行賞:管啓次郎「斜線の旅」、梨木香歩「渡りの足跡」、評論・伝記賞:黒岩比佐子「パンとペン」、詩歌俳句賞:大木あまり・句集「星涼」、研究・翻訳賞:野崎歓「異邦の香り」(第62回、2010年度)
[主催者HP]
https://info.yomiuri.co.jp/contest/clspgl/bungaku.html
(2016年10月時点)