[主催]
高見順文学振興会
[第1回授賞年]
1971年
[解説]
作家で詩人の高見順(1907~65年)の遺志により、全集の印税を基金として1970年に設立。高見の詩および詩人に対する尊敬と愛情を追慕し、併せて有為な若い文学者の顕彰を目的とする。現代詩では最も権威ある賞の一つとされる。詩集を対象に、毎年12月から翌年11月までの1年間に刊行された作品の中から選ばれている。選考委員以外の詩人、評論家、ジャーナリズム関係者等約200名から推薦を受け、アンケートで絞り込んだうえ、選考委員の審議を経て決定される。第1回(71年)は三木卓「わがキディ・ランド」と吉増剛造「黄金詩篇」が受賞した。高見順は福井県三国の生まれ。旧制一高から東京帝国大学(当時)に進む中でダダイズムからプロレタリア文学を志すが、33年検挙されて転向。これらの体験を下敷きにした饒舌体の小説「故旧忘れ得べき」で注目される。以後も人と時代を深く見つめ、問い直す作品を残し、文芸評論や詩でも高い評価を受けた。特に、迫りくる死と向き合った詩集「死の淵より」は、今も多くの読者に愛されている。また記録文学の担い手としては、戦前の41年1月に始まる日記「高見順日記」で、戦中戦後の生活模様を記し、永井荷風(1879~1959年)の「断腸亭日乗」とともに昭和史の貴重な記録史料となっている。
[ジャンル]
詩歌:詩集
[募集形態]
非公募(選考委員以外の詩人、評論家、ジャーナリズム関係者等の推薦)
[結果発表]
例年、1月の発表。
[賞品賞金]
正賞と、副賞として賞金50万円と記念品。
[選考委員]
任期は5年で第46回は天沢退二郎(詩人、フランス文学者)、井坂洋子(詩人)、高橋睦郎(詩人)、野村喜和夫(詩人)、堀江敏幸(作家、フランス文学者)
[最近の結果]
財部鳥子「氷菓とカンタータ」、川口晴美「Tiger is here.」(第46回、2016年)、杉本真維子「裾花」(第45回、2015年)、吉田文憲「生誕」(第44回、2014年)、川上未映子「水瓶」(第43回、2013年)、辺見庸「眼の海」(第42回、2012年)、金時鐘「失くした季節」(第41回、2011年)、岡井隆「注解する者」、岸田将幸「〈孤絶-角〉」(第40回、2010年)
[主催者HP]
http://www016.upp.so-net.ne.jp/takami/
(2016年10月時点)