[主催]
日本現代詩人会
[第1回授賞年]
1951年
[解説]
詩人・平澤貞二郎(1904~91年)の基金によって創設された文学賞。平澤は1920~30年代にプロレタリア詩人として活躍したが、弾圧を逃れて詩業を断念。電子機器会社を起こして成功を収めた。1950年、偶然再会した旧知の詩人・村野四郎から、結成間もない現代詩人会(現・日本現代詩人会)の窮状を聞き、寄付を申し出た。これをもとに現代詩人会が新人賞を創設。平澤が匿名を希望したため、イニシャルだけを冠して「H氏賞」(当初はH賞)となった。前年1~12月の1年間に発表、発行された新人の詩集を対象に、日本現代詩人会会員による投票をもとに候補作が選ばれ、選考委員による2度の審議を経て決定されている。新人詩人の登竜門として、「現代詩の芥川賞」とも呼ばれる。井上俊夫は「野にかかる虹」で第7回(57年)、富岡多恵子は「返礼」で第8回(58年)、風山瑕生は「大地の一隅」で第12回(62年)、高良留美子は「場所」で第13回(63年)、三木卓は「東京午前三時」で第17回(67年)に受賞。いずれもこれをきっかけに、詩人として世に認められるようになった。中堅・ベテラン対象の現代詩人賞とともに、毎年3月に発表されている。
[ジャンル]
詩歌:詩集(奥付を持つ詩集3冊までの詩人対象)
[募集形態]
非公募:日本現代詩人会会員投票
[結果発表]
例年、3月の発表。
[賞品賞金]
記念品の置時計と、副賞として賞金50万円。
[選考委員]
第66回(2016年):相沢正一郎(詩人)、金堀則夫(詩人)、郷原宏(詩人)、高貝弘也(詩人)、中本道代(詩人)、春木節子(詩人)、宮崎亨(詩人)
[最近の結果]
森本孝徳「零余子回報(むかごかいほう)」(第66回、2016年)、岡本啓「グラフィティ」(第65回、2015年)、峯澤典子「ひかりの途上で」(第64回、2014年)、石田瑞穂「まどろみの島」(第63回、2013年)、廿楽順治「化車」(第62回、2012年)、高木敏次「傍らの男」(第61回、2011年)、田原(ティアン・ユアン)「石の記憶」(第60回、2010年)
[主催者HP]
http://www.japan-poets-association.com/award/prize/
(2016年10月時点)