[主催]
中央公論新社
[第1回授賞年]
1965年
[解説]
中央公論社(1999年より中央公論新社)の創業80周年を記念して創設された文学賞。耽美な作風で日本文学に新たな境地を開き、後年は古典的日本美を深く追求した谷崎潤一郎(1886~1965年)の幅広い業績にちなみ、小説だけでなく戯曲も対象になっている。第1回(65年) 受賞は小島信夫「抱擁家族」、第2回(66年)は遠藤周作「沈黙」、第3回(67年) は安部公房「友達」と大江健三郎「万延元年のフットボール」。その後も、埴谷雄高「闇のなかの黒い馬」と吉行淳之介「暗室」(第6回、70年)、野間宏「青年の環」(第7回、71年)、丸谷才一「たった一人の反乱」(第8回、72年)、加賀乙彦「帰らざる夏」(第9回、73年)と、現代文学の代表的な作家・作品が続いている。ほとんどが小説で、戯曲は第3回の安部公房と、第27回(91年)の井上ひさし「シャンハイムーン」の2編だけ(2016年現在)。1990年代前半まで、女性の受賞は円地文子(第5回、69年)、河野多惠子(第16回、80年)、大庭みな子(第18回、82年)、林京子(第26回、90年)、瀬戸内寂聴(第28回、92年)の5人だけだったが、第30回(94年)以降はおよそ半数を占めている。
[ジャンル]
小説、戯曲
[募集形態]
非公募
[結果発表]
例年、8月下旬ごろの発表。
[賞品賞金]
正賞の賞状と、副賞として賞金100万円と時計など。
[選考委員]
池澤夏樹(作家)、川上弘美(作家)、桐野夏生(作家)、筒井康隆(作家)、堀江敏幸(作家)
[最近の結果]
絲山秋子「薄情」、長嶋有「三の隣は五号室」(第52回、2016年)、江國香織「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」(第51回、2015年)、奥泉光「東京自叙伝」(第50回、2014年)、川上未映子「愛の夢とか」(第49回、2013年)、高橋源一郎「さよならクリストファー・ロビン」(第48回、2012年)、稲葉真弓「半島へ」(第47回、2011年)、阿部和重「ピストルズ」(第46回、2010年)
[主催者HP]
http://www.chuko.co.jp/aword/tanizaki/
(2016年10月時点)