[主催]
白水社
[第1回授賞年]
1955年
[解説]
演劇界に新たな新風を吹き込む新人劇作家の登場を願って1955年に創設された。「演劇界の芥川賞」とも呼ばれ、新人の登竜門とされている。当初、「新劇戯曲賞」として始まったが、61年に「新劇岸田戯曲賞」、そして79年に現行の岸田國士戯曲賞となった。前年1年間に雑誌に発表、あるいは単行本として刊行された作品を対象とするが、画期的な上演成果を挙げた作品で選考委員等の推薦があれば、生原稿、台本の形でも例外的に選ばれることがある。第1回(55年)は該当作なしだったが、「畸形児」で第2回(56年)受賞の小幡欣治は、これをきっかけに本格デビューを果たした。しばしば該当作なしが出るように、厳しい審査基準で知られるが、第13回(68年)の別役実、第15回(70年)の唐十郎、第17回(72年)の井上ひさし、第18回(74年)のつかこうへい、第24回(80年)の斎藤憐、第27回(83年)の野田秀樹など、演劇界を背負って立つ受賞者を多数輩出。ベテラン作家の受賞も多い。岸田國士(1890~1954年)は東京・四谷の生まれ。紀州藩士の家系で、陸軍士官学校卒業後軍務につくも、休職願いを出して東京帝国大学(当時)の仏文科選科に入学。フランス留学を経て演劇の道に進み、37年に久保田万太郎らと文学座を結成している。娘に童話作家の岸田衿子、女優の岸田今日子がいる。
[ジャンル]
戯曲脚本
[募集形態]
非公募
[結果発表]
例年、2月末前後の発表。
[賞品賞金]
正賞の時計と、副賞として賞金20万円
[選考委員]
岩松了(劇作家)、岡田利規(劇作家)、ケラリーノ・サンドロヴィッチ(劇作家)、野田秀樹(劇作家)、平田オリザ(劇作家)、宮沢章夫(劇作家)
[最近の結果]
タニノクロウ「地獄谷温泉 無明ノ宿」(第60回、2016年)、山内ケンジ「トロワグロ」(第59回、2015年)、飴屋法水「ブルーシート」(第58回、2014年)、赤堀雅秋「一丁目ぞめき」、岩井秀人「ある女」(第57回、2013年)、ノゾエ征爾「○○トアル風景」、藤田貴大「かえりの合図、まってた食卓、そこ、きっと、しおふる世界。」、矢内原美邦「前向き!タイモン」(第56回、2012年)、松井周「自慢の息子」(第55回、2011年)、柴幸男「わが星」(第54回、2010年)
[主催者HP]
http://www.hakusuisha.co.jp/kishida/
(2016年10月時点)