[主催]
新田次郎記念会
[第1回授賞年]
1982年
[解説]
1981年、作家・新田次郎(1912~80年)の遺産をもとに財団法人新田次郎記念会(現・公益財団法人新田次郎記念会)が設立され、翌年から授賞が始まった。小説からノンフィクションまで、ジャンルを問わず、前年1年間に発表、刊行された作品を対象に、作家、評論家、関係マスコミ、財団役員等からの推薦をもとに選ばれている。第1回(82年)の沢木耕太郎「一瞬の夏」は、プロボクサー・カシアス内藤が世界チャンピオンに再挑戦する物語。以下第2回(83年)の若城希伊子「小さな島の明治維新」、第3回(84年)の辺見じゅん「男たちの大和」、第8回(89年)の入江曜子「我が名はエリザベス」、第9回(90年)の鎌田慧「反骨―鈴木東民の生涯」、第10回(91年)の宮城谷昌光「天空の舟」と、ノンフィクション・歴史小説全盛時代を象徴する名作が続いた。新田次郎は長野県上諏訪町(現・諏訪市)の生まれ。中央気象台(現・気象庁)に勤め、富士山頂観測所(のちの富士山測候所)にいたこともある。これらの経験を生かした山岳小説で人気を集め、歴史小説にも境地を開いた。妻の藤原ていは、新田と離れ子供を連れて満州から引き揚げた体験を描いた「流れる星は生きている」がベストセラーとなり、これに刺激を受けて新田も小説を書き始めた。
[ジャンル]
小説、伝記、エッセイ、超短編等のジャンル・形式を問わず(歴史、現代にわたり、ノンフィクション文学、または山岳、海洋、動植物等の自然界に材をとったもの)
[募集形態]
非公募
[結果発表]
例年、4月の発表。
[賞品賞金]
記念品の気圧計と、副賞として賞金100万円。
[選考委員]
阿刀田高(作家)、長部日出雄(作家)、西木正明(作家)、宮城谷昌光(作家)、諸田玲子(作家)
[最近の結果]
長谷川康夫「つかこうへい正伝 1968-1982」(第35回、2016年)、尾崎真理子「ひみつの王国」(第34回、2015年)、川内有緒「バウルを探して」、幸田真音「天佑なり(上・下)」(第33回、2014年)、澤田瞳子「満つる月の如し」(第32回、2013年)、角幡唯介「雪男は向こうからやって来た」(第31回、2012年)、竹田真砂子「あとより恋の責めくれば」(第30回、2011年)、帚木蓬生「水神(上・下)」、松本侑子「恋の蛍」(第29回、2010年)
[主催者HP]
http://www.disclo-koeki.org/08a/00999/index.html(事業計画書・事業報告書)
(2016年10月時点)