[主催]
文藝春秋
[第1回授賞年]
1955年
[解説]
文化公論社が1933年に創刊した文芸誌「文學界」は、二度の休刊を経て、36年文藝春秋社に引き継がれた。戦後49年に再出発した同誌の公募新人賞として、55年に創設。直木賞や芥川賞同様、年2回の募集だったが、2016年度より年1回となった。これまで、第1回(1955年)受賞の石原慎太郎をはじめ、第3回(57年・上期)の菊村到(1925~99年)、第4回(57年・中期)の城山三郎(1927~2007年)、第7回(1958年・下期)の深田祐介(1931~2014年)など、多くの新人を送り出している。受賞作は「文學界」5月号に掲載される。もう一つ、同じ文藝春秋社のオール讀物新人賞が大衆文学を対象としているのに対し、こちらは純文学を志向している。また、第2回(1956年)までは、年3~4回の募集で、その中の最優秀作を受賞作としていたため、有吉佐和子(1931~84年)のように、入選していながら受賞に至らず涙を飲んだ新人もいた。57年に年3回となり、58年からは年2回が長く続いた。
[ジャンル]
小説
[募集形態]
公募:新人未発表の作品(400字詰で70~150枚、梗概[こうがい]不要)。応募はWeb(応募フォーム)または郵送で。
[結果発表]
2016年度(15年募集)より年1回の募集で9月末の締め切り、翌年4月の発表。
[賞品賞金]
賞金50万円と記念品。
[選考委員]
円城塔(作家)、川上未映子(作家)、松浦理英子(作家)、吉田修一(作家)、綿矢りさ(作家)
[最近の結果]
砂川文次「夢行軍」、渡辺勝也「人生の百科事典」(第121回、2016年)、加藤秀行「サバイブ」、杉本裕孝「ヴェジトピア」(第120回、2015年上期)、板垣真任「とれいす」(第119回、2014年下期)、諸隈元「熊の結婚」(第118回、2014年上期)、前田隆壱「アフリカ鯰」、守島邦明「息子の逸楽」(第117回、2013年下期)、受賞作なし(第116回、2013年上期)、守山忍「隙間」、二瓶哲也「最後のうるう年」(第115回、2012年度下期)、小祝百々子「こどもの指につつかれる」(第114回、2012年上期)、鈴木善徳「髪魚」、馳平啓樹「きんのじ」(第113回、2011年下期)、水原涼「甘露」、山内令南「癌だましい」(第112回、2011年上期)、吉井磨弥「ゴルディータは食べて、寝て、働くだけ」(第111回、2010年下期)、鶴川建吉「乾燥腕」、穂田川洋山「自由高さH」(第110回、2010年上期)
[主催者HP]
http://www.bunshun.co.jp/mag/bungakukai/bungakukai_prize.htm
(2016年10月時点)