[主催]
新潮文芸振興会
[第1回授賞年]
1988年
[解説]
1968年に創設された「日本文学大賞」の文芸部門が、88年に三島由紀夫賞と山本周五郎賞に分けられた。純文学対象の三島賞に対し、こちらは「山本賞」「山周賞」と呼ばれ、大衆小説を対象に、市井に生きる庶民の哀歓をすくい上げた山本周五郎(1903~67年)の作品世界を受け継ぐ「すぐれて物語性を有する新しい文芸作品」に贈られる。芥川賞に対する三島賞と同様、直木賞に対する山本賞という位置付けとされている。前年4月から当年3月までの1年間に発表、刊行された作品の中から選ばれる。基本的に小説だが、それ以外の分野から選ばれることもある。山田太一 「異人たちとの夏」(第1回、88年)、吉本ばなな 「TUGUMI(つぐみ)」(第2回、89年)、佐々木譲 「エトロフ発緊急電」(第3回、90年)、帚木蓬生 「閉鎖病棟」(第8回、95年)、梁石日 「血と骨」(第11回、98年)、重松清 「エイジ」(第12回、99年)、吉田修一 「パレード」(第15回、2002年)、荻原浩 「明日の記憶」、垣根涼介「君たちに明日はない」(第18回、2005年)、伊坂幸太郎「ゴールデンスランバー」(第21回、08年)など、映画化、ドラマ化される作品が多い。
[ジャンル]
小説
[募集形態]
非公募
[結果発表]
例年、5月の発表。
[賞品賞金]
記念品と、副賞として賞金100万円。
[選考委員]
第30回(2017年度):石田衣良(作家)、荻原浩(作家)、角田光代(作家)、佐々木譲(作家)、唯川恵(作家)
[最近の結果]
湊かなえ「ユートピア」(第29回、2016年)、柚木麻子「ナイルパーチの女子会」(第28回、2015年)、米澤穂信「満願」(第27回、2014年)、小野不由美「残穢」(第26回、2013年)、原田マハ「楽園のカンヴァス」(第25回、2012年)、窪美澄「ふがいない僕は空を見た」(第24回、2011年)、貫井徳郎「後悔と真実の色」、道尾秀介「光媒の花」(第23回、2010年)
[主催者HP]
http://www.shinchosha.co.jp/prizes/yamamotosho/
(2016年10月時点)