[主催]
大藪春彦賞選考委員会
[第1回授賞年]
1999年
[解説]
作家・大藪春彦(1935~96年)の業績を記念しての文学賞で、死の翌年、徳間書店の後援を得て創設された。日本におけるハードボイルド小説の先駆者となった大藪の、優れた物語世界の精神を継承する新進気鋭の作家および作品に贈られる。毎年10月から翌年9月までの1年間に発表、刊行された作品の中から、ハードボイルドやアクション小説を中心に選ばれている。第1回(1999年)の馳星周「漂流街」、第2回(2000年)の福井晴敏「亡国のイージス」、第7回(05年)の雫井脩介「犯人に告ぐ」などが映画化されている。また、第4回(02年)の奥田英朗、第11回(09年)の東山彰良、第12回(10年)の道尾秀介はのちに直木賞を受賞している。なお、第20回(18年)からは公募の大藪春彦新人賞も創設される。大藪春彦は現在の韓国・ソウル(当時の京城)生まれ。敗戦後の混乱の中を生きのびて帰国後、早稲田大学に進み、在学中の58年、同人誌「青炎」に発表した「野獣死すべし」が、江戸川乱歩に認められ、雑誌「宝石」に転載されて人気を呼び、さらに翌年には映画化と、華々しいデビューを飾った。以後も激しい暴力やアクション描写の中で、ニヒルでストイックな主人公が、復讐や野望の実現に邁進する数々の作品を生み、多くの読者を熱狂させた。
[ジャンル]
小説:おもにハードボイルドや冒険小説
[募集形態]
非公募
[結果発表]
例年、1月の発表。
[賞品賞金]
正賞として賞状・顕彰牌と、副賞として賞金500万円。
[選考委員]
大沢在昌(作家)、今野敏(作家)、馳星周(作家)、藤田宜永(作家)
[最近の結果]
須賀しのぶ「革命前夜」(第18回、2016年)、青山文平「鬼はもとより」、月村了衛「コルトM1851残月」(第17回、2015年)、梓崎優「リバーサイド・チルドレン」、西村健「ヤマの疾風(かぜ)」(第16回、2014年)、柚月裕子「検事の本懐」(第15回、2013年)、沼田まほかる「ユリゴコロ」(第14回、2012年)、平山夢明「ダイナー」(第13回、2011年)、樋口明雄「約束の地」、道尾秀介「龍神の雨」(第12回、2010年)
[主催者HP]
https://www.tokuma.jp/bungeishou/
(2016年10月時点)