[主催]
KADOKAWA、角川文化振興財団
[第1回授賞年]
2010年
[解説]
作家・山田風太郎(1922~2001年)の独創性とその作家的姿勢への敬意を礎に、有望な作家の作品を発掘顕彰するために創設された。前年9月から当年8月までの1年間に単行本として刊行されたエンターテインメント小説を対象に選ばれている。ミステリー、時代、SFなどのジャンルは問わない。山田風太郎は兵庫県養父(やぶ)郡関宮村(現・養父市関宮)の開業医の家に生まれた。5歳で父親を、14歳で母を亡くし、旧制豊岡中学卒業後、20歳で上京。働きながら東京医学専門学校(現・東京医科大学)に学んだが、医者にはならず作家の道を選んだ。「甲賀忍法帖」「柳生忍法帖」など、古典への造詣に裏打ちされた奇想天外な伝奇小説の忍法帖もので60年代に一大ブームを起こし、70年代以降は明治もの、室町ものでさらに新境地を開いた。ほかにも終戦の1945年(昭和20年)に書かれた日記「戦中派不戦日記」や、古今東西の著名人の臨終を死亡年齢順にまとめた「人間臨終図巻」などで、時代や人間存在への深い洞察を見せた。49年に第2回探偵作家クラブ賞(現・日本推理作家協会賞)、97年に第45回菊池寛賞、2001年に第4回日本ミステリー文学大賞を受賞している。
[ジャンル]
小説(ジャンル不問)
[募集形態]
非公募
[結果発表]
例年、10月の発表。
[賞品賞金]
正賞の記念品と、副賞として賞金100万円。
[選考委員]
奥泉光(作家)、京極夏彦(作家)、筒井康隆(作家)、林真理子(作家)、夢枕獏(作家)
[最近の結果]
「罪の声」塩田武士(第7回、2016年)、佐藤正午「鳩の撃退法(上・下)」(第6回、2015年)、荻原浩「二千七百の夏と冬」(第5回、2014年)、伊東潤「巨鯨の海」(第4回、2013年)、冲方丁「光圀伝」、窪美澄「晴天の迷いクジラ」(第3回、2012年)、高野和明「ジェノサイド」(第2回、2011年)、貴志祐介「悪の教典」(第1回、2010年)
[主催者HP]
http://www.kadokawa.co.jp/award/yamada/
(2016年10月時点)