バブルからグランジの時代を経て、1990年代も半ばを過ぎ、世紀末を迎えようとしている。すべてを破壊したあと新たなモードの道を探るために、ベルエポックの19世紀末から20年代のアールデコ、オートクチュールの黄金時代だった40年代・50年代のハリウッドスターをほうふつさせるシネマスター・スタイルと呼ばれるものまで、改めてクチュールの探求が行われている。バイアスカット、ウエストシェイプ、肩を強調したジャケットなど、あらゆる時代のテクニックを取り入れたクチュールエレガンスがカムバックしている。このファッション傾向をレトロクチュールともいう。