1996年秋よりヨーロッパの老舗メゾンのデザイナーの交替が相次いだ。「クリスチャン・ディオール」はイギリスのジョン・ガリアーノを起用し、ガリアーノが手掛けていた「ジバンシィ」はアレキサンダー・マックイーンが担当。「グッチ」はアメリカのトム・フォードが担当するなど、若手の外国人デザイナーを迎え、新しい血を入れようとしていると話題になった。この動きはその後も続き、98年には、「エルメス」がアバンギャルドな服で知られるベルギーのマルタン・マルジェラを、「ルイ・ヴィトン」はマーク・ジェイコブス、「セリーヌ」はマイケル・コースと、それぞれニューヨークの代表的デザイナーを起用し再生を図った。99年は「ランバン」「ピエール・バルマン」「イヴ・サンローラン」「ニナリッチ」もリニューアル。'99~2000秋冬プレタポルテ・コレクションでは、これらの伝統あるメゾンが、豪華さや装飾を捨て、高級素材を用いたシンプルなデザインで、クチュールの新しい方向を示して注目された。