外衣として着る下着という意味の造語。ランジェリーはフランス語で、装飾性の強い、薄物の下着を総称する。1980年代からJ.P.ゴルチエによってブラジャーを見せる挑発的な着こなしは出ていたが、再び下着を露出する意味が変わってきた。2000年のグッチや'01~'02秋冬コレクションで、コム・デ・ギャルソンが見せた、テーラードジャケットの上にブラジャーをつけた着方は、別名「パワーファンデーション」(威力のある下着)という言葉も生み出すほど、下着のイメージを変えた。性的魅力を発散するというより、人前に露出することがタブーであるものを、あえてファッションとして取り上げることによって、そんなことでは損なわれない女性の本質的強さを物語るという逆説的な取り上げ方である。背景にはインナーとアウターの垣根がなくなりつつある時代環境もあるが、フェミニズムの進展との関係が最も強いと思われる。