オート(haute)は高い、高級の、クチュール(couture)は仕立ての意味のフランス語で、高級あつらえ服、および高級洋装店のこと。歴史をたどればマリー・アントワネットのドレスメーカーからそうよべるが、毎シーズン、最高の素材と技術、芸術的センスで仕立てられるパリ・オート・クチュールは、コレクションの最高権威である。モデルを使ってコレクションを発表する現在のシステムの礎を築いたのは、1858年パリで開業したイギリス人のシャルル・フレデリック・ウォルトである。1950年代まで世界のファッションをリードする存在であったが、60年代からは既製服が主流になった。現在は顧客数も減り、世界で1500人程度という説もあり、単独での経営は成り立たず、ブランドの象徴的存在になっている。厳密にはシャンブル・サンディカ・ドゥ・ラ・クチュール・パリジェンヌ(パリ・オート・クチュール仕立て業組合)のメンバーをオート・クチュールとよび、毎シーズン20ブランド前後がコレクションを開いている。最近の傾向として、組合に所属していない若手や新進ブランドが、オート・クチュールコレクション時期に合わせてショーを開催し、'01~'02秋冬コレクション数は50ブランドに上った。コレクションショーは毎年1月と7月に行われる。