マリー・クワントのミニからモッズ、パンクなど、1960年代~70年代「スウィンギング・ロンドン」として世界の若者文化を触発していたロンドンのファッションは、ストリート感覚が持ち味である。80年代にロンドン・コレクションとしてシステム化された。セントラル・セントマーティンズやロイヤル・カレッジなど優れた美術大学出身のデザイナーたちを輩出する受け皿にもなっているが、ビジネス的な安定がなかなか築けないのが弱みである。そのため、コレクション参加ブランドの数も安定せず、世界からのバイヤーや取材陣も増減が激しい。90年代後半、フセイン・チャラヤン、アレキサンダー・マックィーンなどの人気で、盛り上がったものの、21世紀に入り、再び低迷している。ヴィヴィアン・ウェストウッド、ジョン・ガリアーノ、アレキサンダー・マックィーン、ステラ・マッカートニーなどロンドンを代表するデザイナーたちの多くは、パリをベースに活動している。