300年以上の歴史を誇るベルギーの王立芸術学院。ファッション学部が新設されたのは、1962年。ドリス・ヴァン・ノッテン、アン・ドゥムルメステール、ダーク・ビッケンバーグ、ダーク・ヴァンサーン、ウォルター・ヴァン・ベイレンドルク、マリナ・イエが、1986年、ロンドンで開催した学生だけの展示会がきっかけで脚光を浴びた。斬新な作風と、耳慣れない発音の名前が覚えにくかったためか、「アントワープの6人」と一括して呼ばれ、世界的なベルギーブームへと発展していった。参加メンバーと同時に、王立芸術学院も「自らのアイデンティティー探し」から始まる独自の教育が注目を集めた。「エルメス」も担当するマルタン・マルジェラを筆頭に、前述の6人が中堅として、そして、ヴェロニク・ブランキーノ、ベルンハルト・ウィルヘルムなど若手もフラマン風の独特な作風で次々と登場し、パリ・コレクションの勢力分布図を塗り替えようとしている。