新入社員のみなさん、本日はおめでとう。
みなさんが、社会人として、また、わが社の一員として、新たなスタートラインに立たれたことを、心からお喜び申し上げます。
わが社は、みなさんすでにご承知のとおり、この数年来、順風満帆(じゅんぷうまんぱん)の発展を遂げてまいりまして、業界のダークホースと呼ばれるまでに成長してまいりました。
今や、みなさんは、わが社の社員となられたわけですから、まずなによりも企業人としての自覚をもっていただきたいと思います。すべてに保護され、猶予を与えられていた学生時代とは、気持ちの上でもはっきり一線を引いていただきたい。
その意味で、私はみなさんに一つの言葉を贈りたいと思います。
日ごろ、耳にしたり口にはしていますが、その真の意味をつかんでいない言葉がたくさんあります。「心機一転(しんきいってん)」もその一つでしょう。心機一転とは、なにごとかを契機として、気持ちや心がまえを一新することです。はたから見れば別人のようになることであります。
私がこんなことをいうと、若い諸君は、おやおや、とんでもない会社に入ってきてしまったぞと驚かれることでしょう。しかし、これは一種の比喩(ひゆ)であり、努力目標であります。現に私自身、気持ちの切り替えがうまくできないサンプルみたいな存在です。
みなさんが今日を機会に、心機一転してみようと心掛けてくださり、かりにそれがはかばかしくないときは、私を見て、社長があんな程度な人だからと思っていただいてけっこうであります。
どうでしょうか。社長の私もがんばります。新入社員のみなさんもがんばってみてください。
世界の情勢はめまぐるしく変化しています。その変化は経済に大きな影響を及ぼしつつあり、日本ももちろん、その渦の外に身を置くことはできません。わが社の明日を見、未来を切り開いていくことは、目前の与えられた仕事だけに満足していたのでは不可能です。
社の仕事を通して、日本国内にとどまることなく、国際社会にどのように貢献できるか、21世紀の宇宙時代に参加できるかを考えてみようではありませんか。
みなさんがたの世紀は、もう目前です。今日からは心を新たにして、1日も早く、社の雰囲気になじみ、誇りある仲間として、期待にこたえてくださるよう、お願いいたします。