私は毎年この時期になると、烏兎匆匆(うとそうそう)という言葉を思い出します。光陰矢の如しと同じ意味で、ついこの間、新たな決意を胸に新年を迎えたかと思ったら、もうその1年も何日かを残すのみになっています。いったいこの1年、私はなにをしてきたのだろう、なにをなし得たのだろうというような、感慨にひたるわけです。
また、いつも明鏡止水(めいきょうしすい)の心でことに当たりたいと思っていますが、なかなかむずかしいものです。
しかしながら、今年はそんな思いにふけっているひまはなさそうです。というのも、来年に持ち越しかと思われていた山川産業社との契約が、急拠(きゅうきょ)成立して、じつは私は忘年会を途中で退席させていただかねばならないことになったのです。
これから、佐田部長といっしょに先方へ出向きますが、どうか諸君は、遠慮なく1年の疲れをふっ飛ばすつもりで、存分に楽しんでください。
ご承知のとおり、山川産業社との契約成立は、わが社にとって、また諸君にとっても、新しい年への希望の兆しとして、歓迎すべきことがらだと思います。
では、諸君の働きに感謝しつつ、祝杯を兼ねて、大いににぎやかにやりましょう。