おばあちゃん、白寿を迎えられまして、おめでとうございます。12人の孫を代表して、私からごあいさつをさせていただきます。
おばあちゃんがたどってこられた生涯については、私たちはおばあちゃん自身から聞くよりは、父や母から聞かされたものが大部分です。
話に聞く大空襲でおじいちゃんを亡くし、女手一つで、私たちの父や母を育てあげたおばあちゃんの苦労話を、私たちはいくど父母から聞かされたかしれません。
その私たちの子供たち、おばあちゃんにとってはひ孫たち、23人のひ孫たちに、それらの話を今度は私たちが聞き伝え、語り伝えております。
私たちが寄るとさわると話すことの一つに、おばあちゃんの元気なこと、病気一つしない健康の秘訣(ひけつ)があります。私の記憶しているかぎりでも、この十数年来、病気で寝込んだという話を聞いたおぼえがありません。
今度、このお祝いの会をするについて、若い時分からさんざんに苦労してきたのに、どうしてそんなに元気なのか、みんなで話し合いました。その結果、おばあちゃんのもって生まれた、天真爛漫(てんしんらんまん)な人柄によるのだろうということになりました。
苦を苦としない、はたから見るとのんびりしすぎるくらいな、明るい自然のままの人、飾り気のない無邪気なおばあちゃん。きっと、それこそが健康の秘密なのでしょう。
これからは私たちも、おばあちゃんにならって、つとめて天衣無縫(てんいむほう)の生活を送るようにしたいと思います。
どうぞこれからも、これまでどおりの元気な楽しいおばあちゃんでいてください。そして、いつまでもかぎりなく南山之寿(なんざんのじゅ)を積み重ねていってもらいたいと、子たち、孫たち、ひ孫たちすべての者が願っております。
おめでとう、おばあちゃん。