お父さん、お母さん、結婚25年、ご苦労さまでした。これ、皮肉ではありません。自分の中学、高校時代を振り返ってみて、そして、たった1年足らずの結婚生活をこの身で体験してみて、はじめて知った親の苦労なんて、ちょっと時代がかりだけれど、ほんとうにそう思いました。
中学のころも、高校のころも、およそ考えもしなかったけれど、自分の子供が中学に入る、高校に入るというそれだけのことで、親というものが、こんなにもあれこれ考えるのだななんてこと、先輩が子供を幼稚園に入園させるについての話を聞かされたりして、やっとわかるようになりました。
概して、帰りの遅かったお父さんを、弟と3人でテレビを見ながら待っていたお母さんの、眼には見えない心配やら、気づかい、ときには腹立ちが、少しは察せられるようになりました。
けんかはめったにしなかったようだけれど、それでもたまに見聞きしたのを思い出しては、こんなとき、父さんたちはどうしていたかななんて、こっそり参考にさせてもらっています。
賢一も、来年は大学を卒業するんだから、すねかじりのほうも卒業して、これからは、おやじと、おふくろさんを、月に1度くらいは車に乗せてやって、好きなところへ連れていってやってください。
お父さん、お母さん、子育てもやっと段落がつきますね。これからは2人がより幸せになるように、気苦労のまったくない生活なんてないのかもしれないけれど、せめて、子育てから開放されるのを機会に、ご自分たち2人だけの、昔の時代を思い出して、自由奔放(じゆうほんぽう)に第2、第3の生活を楽しんでください。
そして、口はばったいような言い方だけれど、なにかのおりには、自分たちには息子と娘がいるのだということを、忘れずにいてください。まだまだ2人とも元気だけれど、体に気をつけてね。
25年、おめでとう。お父さん、お母さん。