みなさん、お久しぶりです。ぼくは第8回卒業生の南川洋平と申します。こうして見回してみても、見覚えのあるお顔はまばらで、卒業の年度とお名前をおうかがいしても、すぐに思い出すのもおぼつかないくらいです。
同窓会のご連絡はたびたびちょうだいしてきたのですが、仕事にかまけて出席できず、今回、はじめて出席することができました。
出てみて、こうしてみなさんのお顔を拝見しているうちに、そして、われわれが学んだ老朽校舎や板張りの体育館の話をしているうちに、つくづく今日の会に出席してよかったと実感しているところです。
今日は、この会館ホールを借りての集まりですが、この次はぜひ、母校の講堂か教室でお願いしたいものと思っているところです。
そちらのお席においでの方は、小山先生ではございませんか、まちがっていたらお許しください。やはり小山先生ですね。先生、たいへんごぶさたいたしております。南川です。先生のお姿は最初に拝見したときから、すぐにわかりました。
先生のことは、卒業後もなにかにつけて思い出してまいりました。と申しますのは、ここにご出席のみなさんもご承知の、先生のあの博覧強記(はくらんきょうき)です。当時、小生意気な生徒で、なにかにつけて反抗的だったぼくでしたが、先生の博覧強記には頭が上がらなかったことをまざまざと覚えております。
それにしましても、小山先生。おぐしのほうが白くなられたほかは、昔と少しも変わっていらっしゃらないですね。細身のお体も、精悍な眼差しも、昔のままです。お元気なごようすに接し、こんなにうれしいことはございません。
今、この会に出席して、失いかけていたものを取り戻すことができたと思っています。
これからは、できるかぎりこうした集まりには参加しようと存じます。
忘れかけていたものを思い出させてくれて、ありがとうと、みなさんと、この会を運営してくださった幹事のかたがたに、心からのお礼を申し上げます。