人と人との交わりには気持ちが通じ合ったり合わなかったりするものがあるが、これらはすべて因縁によるものであるということ。主に、夫婦、男女、友人などのめぐり合いは因縁によるものであるという意味をさしていう。仏教に由来する語といわれている。「愛縁」は「合縁」「相縁」、「機縁」は「奇縁」とも書く。
〔例〕男女の仲や夫婦の仲をさして、「お父さんとお母さんは見合い結婚だったけれど、けっこう仲よくやっている。愛縁機縁といって、きっと2人は夫婦になる運命だったのね」などのように使う。また、結婚披露宴のあいさつなどで、「ここで、2人のなれそめのエピソードをご紹介したいと思います。じつは、2人は同じ町で生まれ育ち、同じ幼稚園に通う幼なじみだったのです。ところが、小学2年生になる春に、新婦のお父上が東京へ栄転されることになり、2人は離れ離れになってしまいました。その後、2人は淡い恋心を忘れずにいながらも、1度も会う機会もなく、新婦は東京の女子大を、新郎は長野県の大学を4年前に、めでたく卒業したわけであります。そして、就職をしてみますと、2人は偶然にも同じ会社に入社し、しかも同じ営業課に配属されたのです。その後のことは省略させていただきますが、やがて2人から結婚するという話を聞いたとき、私は男女のめぐり合いは因縁によるという意味の愛縁機縁という言葉を、すぐに思い浮かべました。このように、幼いころから通じ合う心をもち、因縁があって今日結ばれた2人は、いつも仲がよく、きっと幸福な家庭を築いてくれるものと信じています」というように使ったりする。