立身出世し、富貴になって、錦をまとって故郷に帰ること。またその名誉をいう。「錦を衣(き)て郷に還(かえ)る」と読む「衣錦還郷」あるいは「衣錦帰郷」という言葉もある。
11世紀の北宋の政治家・儒者である欧陽脩(おうようしゅう)が著した『相州画錦堂記(そうしゅうがきんどうき)』に、「此一介之士、得二志当時一而意気之盛、昔人比二之衣錦之栄者一也」とある。
〔例〕立身出世して故郷に帰ることを述べる場合に用いられ、「田中くんは東京で事業を成功させ、15年ぶりに故郷に帰ってきました。本日は、私たち同級生をはじめ、知己のみなさまにお集まりいただき、田中くんの衣錦之栄を大いに祝いたいと思います」と祝辞に使ったり、「青年実業家となって故郷に胸を張って帰りたいが、赤字続きの状態では衣錦之栄どころではない」などと使ったりする。