一生に1度あること。また、一生に1度かぎりの出会いをいう。
安土桃山時代の茶人で千利休の弟子として活躍した宗二の著『山上宗二記(やまのうえのそうじき)―茶湯者覚悟十体』にある「一期に一度の会」から出た言葉。江戸時代末期の茶書の一つである『茶湯一会集(ちゃのゆいちえしゅう)』に、「抑茶湯の交会は、一期一会といひて、たとへば、幾度おなじ主客交会するとも、今日の会にふたたびかへらざる事を思へば、実に我一世一度の会なり、去るにより、主人は万事に心を配り、聊も麁末なきやう」とある。茶会は、それぞれそのとき1度かぎりのものであるから、誠意をもって臨むべきであるという茶道の心得から。
〔例〕人の出会いを大切にしなさいという意味で、「どんな人との出会いであっても、一期一会と思い誠意をもって接する心が必要である」などのように使う。