仏教の言葉で、今までの邪念を一掃して悟りを開こうと決心すること。転じて、なにごとであれ、それまでの怠惰な考えを改めて、熱心になり努力しようと心に誓うこと。「一念発起菩提心」を略したもの。
『歎異抄(たんにしょう)―十四』に、「弥陀の光明にてらされまゐらするゆへに、一念発起するとき」とある。
〔例〕朝礼などで、「前期の営業成績はかんばしいものとはいえませんでしたが、今期こそは部員一同、一念発起して、これまでにない好成績を上げるように努力してください」というように使う。また、相手を激励し叱咤する場合などに、「おまえ、また大学落ちたのか。浪人の分際でふらふら遊び歩いているからだめなんだ。来年こそは一念発起してがんばってもらいたいものだ」というように使う。あるいは、激励会のあいさつなどで、「全国大会初出場とはいえ、初戦で敗退したことの責任は、すべて監督である私にあります。その点は、率直に選手諸君に謝りたいと思います。しかし、来年の大会への戦いはすでに始まっています。今日ただいまから、一念発起して、来年の栄光をわれわれのものにするために、練習にはげもうではありませんか」と使ったりする。
〔類〕一念発心(いちねんほっしん)/一心発起(いっしんほっき)