体が健康で、具合の悪いところはまったくないという人より、一つぐらい具合の悪いところがあった人のほうが、健康に気をつけるので、長生きをするということ。「息災」は、達者であること、無事であること、健康であることという意味。また、仏の力で災いを除くという意味もある。
〔例〕病気もなく健康でいる状態を示す「無病息災」を援用しながら、病気の一つぐらいあるほうが常に健康に気づかいをするだろうという気持ちをこめて、「胆石という持病があって、無理がきかない。しかし、一病息災といって、病気の一つぐらいあったほうが、長生きするかもしれない」と使ったり、「急に入院されたと聞いて、とても驚きましたが、たいしたことがなくて安心いたしました。一病息災と申します、これからは健康に気づかいながら仕事をなさいますようご留意ください」と、お見舞いの言葉に使ったりする。