一文と半銭という意味から、ほんのわずかな金銭のこと。「いちもんきなか」とも読む。「きなか」の「き」は、長さの単位の一つで、寸(すん)を表す。「半銭」は、直径が一寸ある銭の半分という意味で、それを「きなか」という。
〔例〕ごく少ない金銭を言い表すのに、「借金を申し込まれたが、あいにくわたしには一文半銭も持ち合わせがなかった」などと使う。また、ささいな物事をたとえていう場合にも使うことがある。
〔類〕一銭一厘(いっせんいちりん)
――「厘」は、貨幣の単位の一つで、銭の10分の1、円の1000分の1を表す。