文字を知らず、読み書きできないこと。無学。「一文」は、一つの文字という意味。
『歎異抄(たんにしょう)―十一』に、「一文不通のともがらの念仏まふすにあふて」とある。
〔例〕謙遜(けんそん)した言い方などで、「会長は経営能力ばかりでなく文才も豊かで、わたしたちのような一文不通の人間とは格が違います」というように使う。
〔類〕一文不知(いちもんふち)
――文字を一字も読み書きすることができないことで、法然の『一枚起請文(いちまいきしょうもん)』に、「たとひ一代の法を能々学すとも、一文不知の愚どんの身になして」とある。