中国で、宗廟(そうびょう)の祭などで楽を奏するときに1人の唱えた歌に3人が唱和したことから、1人が歌って3人がこれに和して唱えることをいう。転じて、詩などを1回読んだだけでいくども感嘆すること。たいへんにすばらしい詩や文章を賛嘆するときにいう。
『礼記(らいき)―楽記』に、「清廟之瑟、朱弦而疏越、壱倡三嘆、有二遺音一者矣」とあり、また、『蘇軾(そしょく)―答張文潜県丞書』に、「汪洋澹泊、有二一唱三歎之声一」と記されている。
〔例〕詩作などがすばらしいことを評して、「今年の新人はたいへんな才能をもっているね。もうすばらしいの一語だ。選考委員一同、一唱三嘆。全員一致で受賞が決まったよ」などのように使う。
〔類〕一読三嘆(いちどくさんたん)