この世の現象は因縁によってできたものだから一定ではなく、常に変化をし続けているという意味の仏教で用いる言葉。世の中は移り変わりやすく、はかないものであるということ。「有為」は、さまざまな因縁によって生じて、移り変わるのを常とするこの世の現実のこと。いろは歌にも「有為の奥山」と読み込まれている。「転変」は、移り変わること、一定でなく変化するという意味。「ういてんべん」とも読む。
「有為転変の世の習い」という成句で用いられることも多く、『太平記(たいへいき)―三十六』に、「有為転変の世の習ひ、今に始めぬ事なれ共」とある。
〔例〕「有為転変の世というけれど、あんなに大きな会社が倒産するとは思いもしなかった」とか、「人生の有為転変について思いめぐらす年齢になりました」などと使ったりする。
〔類〕有為無常(ういむじょう)