天と地のように大きな隔たりがあること。ひどく違いのあるさまをいう。「雲泥」は、空に高くある雲と地上にある泥のことで、大きく隔たったり、差異がはなはだしいことをたとえていう。「万里」は、1里の1万倍のことで、とても長い距離をいう。「雲泥万里」を、「うんでんばんでん」「うんてんばんてん」「うってんばんてん」と転じた読み方をすることもある。
『太平記(たいへいき)―三十九』に、「されば古賢の世を治めん為に二君に仕へしと、今の人の欲を先として降人に成るとは、雲泥万里の隔其中に有りと云つべし」と記されていたり、江戸時代の浄瑠璃の『嫗山姥(こもちやまんば)―二』に、「娘をころりと落としたと、首をころりと落とすとは雲泥万里と恥しむる」とあったりする。
〔例〕大きな差異のあることをたとえて言い表すのに、「大都市の駅前商店街と、人口減少の激しいこの町の商店街とでは、集客数は雲泥万里です」などと使う。
〔類〕雲壤月鼈(うんじょうげつべつ)
――「雲壤」は、雲と土のことで、天と地という意味。「月鼈」は、月とすっぽんのこと。