雲やかすみに執着する心という意味から、転じて、深く自然の景観を愛する風流の心。「煙霞」は、もや、かすみ。山水のよい景色のこと。「痼疾」は、長い間なおらない頑固な病気という意味。転じて、執着する心の病。
『唐書(とうじょ)―田遊巌伝』に、「高宗幸二嵩山一、(略)親至二其門一。遊巌野服出拝。(略)帝曰、先生比佳否。答曰、臣所レ謂泉石膏肓、烟霞痼疾者」とある。
〔例〕「煙霞痼疾とでも申しましょうか、定年を機会に、このたび人里離れた田舎へ引っ込むことにいたしました」などのように使う。
〔類〕煙霞之癖(えんかのへき)