人を愛するあまりに、好きになった人の家の屋根にとまっている烏(からす)にまで情愛を感じるという意味から、転じて、愛情がきわめて深いことをたとえていう。
『説苑(ぜいえん)―貴徳』に、「愛二其人一者、兼二屋上之烏一」とあるところから。
〔例〕「彼女に対する屋烏之愛は、だれもが認めるところとなった」とか、「彼女のすること、なすことがすべて気に入っているというのは、屋烏之愛としかいいようがありません。でも、結婚を考えているのなら、もう少し頭を冷やしたほうがよいと思います」などと使う。
〔類〕愛及屋烏(あいきゅうおくう)
――「愛は屋烏に及ぶ」と読み下す。