「故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る」と読み下す。古いことを調べ研究することによって、新しい知識や道理を発見すること。
実践的な、人の道を説いた中国の儒教の『論語(ろんご)―為政』の中にある有名な言葉で、「子曰、温レ故而知レ新、可二以為一レ師矣」と記されている。
〔例〕「学問の基本は温故知新です。しっかり勉強してほしい」などと使う。また、入社式のスピーチなどで、「今年めでたく新入社員となられた諸君に、わが社の60年にわたる歴史の一端をお話しようと思います。諸君の中には、古い会社の歴史を聞かされるより、これからの会社の指針を話してほしいと思う人もいるでしょうが、諸君にはここで、温故知新という言葉を思い浮かべてもらいたいのです。この意味は、古いことを調べ研究して、新しい道理を見つけることですが、これからの新しい社の方針を知るには、まず古い歴史を知ることが基になると考え、話をします」というように使う。