中国の春秋時代、越王勾践(こうせん)は呉王夫差(ふさ)に破れて会稽山でみじめな和睦を結んだが、そのときの恥を忘れないようにと苦い獣の胆(きも)をなめては思い出し、ついには雪辱を果たしたという『史記(しき)―越世家』などに見られる故事から、転じて、たいへんにみじめな恥辱をたとえていう。
『史記(しき)―越世家』には、「苦レ身戮レ力、与二勾践一深謀二十余年、竟滅レ呉報二会稽之恥一」と記されている。
〔例〕「昨年は入札に破れ得意先を失ったが、今年は会稽之恥をすすぐことができた」とか、「去年の大会では初戦で屈辱的な大敗を喫しましたが、今年こそ会稽之恥をすすぎたいと思います」などと使ったりする。