「蝸角」は、カタツムリの触角のことで、とても狭い場所などをいう。カタツムリの左の角にある触氏と右の角にある蛮氏とが、互いに領土を得ようとして15日間も戦い争って、死者数万を出したという、『荘子(そうし)―則陽篇』にある寓話からの言葉で、きわめて小さな世界でのつまらない者同士の争いをたとえていう。
〔例〕「天下、国家を論じろとまではいわないが、鈴木も佐藤も、いつまでもささいなことで、言い合いをしているよりも、もう少し大切なことを論じ合ったらどうだろう。そういうむだな争いを蝸角之争というのだよ」というように使う。