理想的な政治を行うための、『大学(だいがく)』の8条目(格物・致知・誠意・正心・修身・斉家・治国・平天下)の第1と第2のもの。朱子によれば、個々の事物についての道理を徹底的に究明し、その本質をよく理解して、自己の知識を極限にまで押し広めること。王陽明によれば、対象に向かう心の動きを正しくし、自然な心情、本来的な心の働きを十分に発揮するということ。
『礼記(らいき)―大学』に、「古之欲レ明二明徳於天下一者、先治二其国一。欲レ治二其国一者、先斉二其家一。欲レ斉二其家一者、先脩二其身一。欲レ脩二其身一者、先正二其心一。欲レ正二其心一者、先誠二其意一。欲レ誠二其意一者、先致二其知一。致レ知在レ格レ物」とある。
〔例〕「格物致知こそ学問の根本です。大いに勉学にはげんでください」とか、「県下初の20代の代議士として、やる気だけはだれにも負けませんが、まだまだ未熟者ですので、格物致知をモットーとする所存であります」などと使う。
〔類〕致知格物(ちちかくぶつ)