目の前に危難が迫っていて、このまま生き残れるか、滅びてしまうかの瀬戸際。生か死の土壇場。「ききゅうぞんぼう」とも読む。「危急存亡の秋(とき)」という成句の形でもよく使われる。
『諸葛亮(しょかつりょう)―前出師表』に、「今天下三分、益州疲弊、此誠危急存亡之秋也」とある。
〔例〕「今、わが社は危急存亡のとき、一致協力してほしい」といったり、また、訓話などに使って、「わが社は業界ではシェア第1位を占め、30年にわたって発展を続けてまいりました。しかし、欧米との貿易交渉の結果、アメリカをはじめ、フランス、ドイツ、イギリスなどから、大量の製品がこの秋から輸入されることが決定されました。いよいよ強大な競争相手が登場することになるわけで、わが社はまさに危急存亡の状態に立たされることになります。社員一同、これまでの安泰ムードを払拭し、大いに奮起していただきたいと思います」というように使う。