「牛溲」は、牛の小便で、「馬勃」は、馬の糞(くそ)の意味。転じて、価値のないつまらないもの、役立たずのものをたとえていう。「牛溲馬勃敗鼓(はいこ)の皮」という形で使うことがある。
『韓愈(かんゆ)―進学解』に、「玉札舟砂、赤箭青芝、牛溲馬勃、敗鼓之皮、倶収並蓄、待レ用無レ遺者、医師之良也」と記されている。
〔例〕「なんだあいつは、今ごろ出社したのか。なのに受付の女の子のところばかりに入りびたって。まったく、あんなやつはわが社の牛溲馬勃だ。情けない」といったり、「牛溲馬勃、この一身をなげうって、御社のために全力を傾けたいと思っています」などと使ったりする。
〔類〕牛糞馬涎(ぎゅうふんばせん)
――「馬涎」は、馬のよだれのこと。