「窮鳥懐(ふところ)に入(い)る」と読み下す。追いつめられて逃げ場を失った鳥が懐に飛びこむことから、転じて、追いつめられて逃げ場のないものが、自分を頼って助けを求めてくることのたとえ。「窮鳥懐に入る仁人憫(あわれ)む所なり」の一節。
『顔氏家訓(がんしかくん)―省事』に、「窮鳥入レ懐、仁人所レ憫、况死士帰レ我、常棄レ之乎」とある。
〔例〕「窮鳥入懐(窮鳥懐に入る)の難民を強制出国させるのはよくないよ」とか、「彼はわが国に救いを求めてきた人物である。窮鳥入懐(窮鳥懐に入る)というとおり、困難な立場にある者を助けないわけにはいかない」などのように使う。