非常に貴重なものや重要な地位のこと。「九鼎」は、夏(か)の王が九つの州から献上させた金でつくった鼎(かなえ)。「大呂」は、周(しゅう)の大廟(たいびょう)に供えた大鐘のこと。いずれも貴重な宝物であったことから。「きゅうていたいろ」とも読む。
『史記(しき)―平原君伝』に、「毛先生一至レ楚、而使三趙重二於九鼎大呂一」とある。
〔例〕「身近にいた間は気づかなかったが、彼の去ったあと、いかに彼が九鼎大呂であったかを知った」とか、「先生のお言葉は九鼎大呂の重みがございます。なにとぞ、一言お書き添えくださいますようお願いいたします」などと使ったりする。