器用でなにごともうまくこなすが、その反面、一つのことに集中することができずに、大成ができないという意味。器用なために他人に重宝がられたりはするが、結局は大物にはなれないような人をさしていう。なにごとも器用にできるが、専門家になることはできない、うだつがあがらない場合をいうことがある。
〔例〕「文章もうまい、絵もそこそこに描けて、編集センスもまあまあ。金の管理もやらせればできる。だから川上さんは会社に便利にこき使われているのね。器用貧之のお手本みたい」といったり、「器用貧乏がわざわいして、結局、彼は中途半端な読み物作家で終わってしまった」などと使ったりする。