口先だけでお世辞をいい、人のきげんをとるために顔色をとりつくろうこと。転じて、言葉たくみに人にこびへつらうこと。「令」は、善のことで、「色」は、顔色のことをいう。「巧言令色鮮(すくな)し仁(じん)」という成句で使われることが多い。
『論語(ろんご)―学而』に、「子曰、巧言令色鮮矣仁」とある。
〔例〕スピーチで人柄を紹介する際などに、「田中くんは、話し下手ではありますが、たいへんに誠実な人物であります。人のきげんをとり、こびへつらう人がよくいるのに、田中くんはその反対で、論語の中にある巧言令色鮮し仁という言葉のように、純粋そのものという人柄であります」というように使ったり、また、「巧言令色で人に近づく」とか、「巧言令色で社長に取り入る」などと使ったりする。