大人物の遠大な考え。「鴻」は、おおとり、「鵠」は、くぐいの意味。両方ともに大きい鳥であることから、大人物の考えをたとえていう。
『史記(しき)―陳渉世家』に、「嗟乎、燕雀安知二鴻鵠之志一哉」とある。
〔例〕「政治家も、明治維新のころは、西郷隆盛や勝海舟など鴻鵠之志をもった人物が多かった。しかし、このごろは、日本の将来を真剣に考える政治家が少ないように思えてならない」などのように使う。また、スピーチの中で、小人物どもに大人物の大志がわかってたまるものかという意味で、『論語』をそのまま読み下して、「燕雀いずくんぞ鴻鵠之志を知らんや」と使うのもよい。