呉の国にいたころの蒙さんという意味。転じて、進歩がない人や無学な人のことをたとえていう。「呉下」は、中国の呉の国のこと。「阿蒙」の阿は親しんでいう語で、阿蒙は「蒙さん」を表す。呉の国の魯粛(ろしゅく)が、呂蒙(りょもう)に出会ったとき、「昔は、あなた(呂蒙)のことを武芸にだけ秀でた人だと思っていたが、現在では学識も高い人となった。かつて呉にいたときとは別人のようである」といったという故事から。
〔例〕「きみはもう3年間も中国語を勉強しているが、少しも進歩の跡が見えないね。中国ではきみみたいな者を呉下阿蒙というのです」とか、「いつまでも呉下阿蒙では困ります。しっかり勉強してくださいよ」などと使ったりする。