自らの強い意志で、欲望や邪心を抑えて礼儀を正しくすること。『論語(ろんご)』でいう仁の精神。「己(おのれ)に克(か)ち礼(れい)に復(かえ)る(を復(ふ)む)」と読み下す。
『論語(ろんご)―顔淵』に、「克レ己復レ礼為レ仁、一日克レ己復レ礼、天下帰レ仁焉」とある。
〔例〕成人式のスピーチなどで、「論語に克己復礼という言葉があります。己に克ち礼に復るという仁の精神を説いたものですが、これを今日から大人の仲間入りをして、社会に大きくはばたいていく諸君に、はなむけの言葉として贈りたいと思います。自らの強い意志で欲望を抑え礼儀を正すことから始めてください」というように使ったりする。