臣下がひそひそと謀反の相談をすること。「沙」は、砂のこと、「偶語」は、2人の者が向かい合って語ること。「砂中偶語」とも書く。中国の漢の高祖が天下を平定したとき、集まった諸将が砂の上に座って、ひそひそ話をしている。不審に思った高祖が留侯張良にたずねると、「彼らの働きに対する論功行賞がまだ決まっていません。それが不満で謀反の相談をしているのです」とこたえたという『史記(しき)―留侯世家』にある故事による。
〔例〕「沙中偶語を重ね、彼らはいっせいに退社を声明し、新会社の設立を宣言しました」などと使う。